WT Art_Yuma1

Work of Art

SQ本誌では選抜試験編がいよいよ本格的に始まりました。
残念ながら今月は休載のため207話はお預けですが、展開的にも遠征編に入るまでは当サイトで取り扱う考察系の情報もしばらくは少なくなりそうです。
遠征編の準備期間ということで、選抜試験編を楽しみつつもその先の展開について予想してみようと思います。

ということで、ワールドトリガーのキャラクターに焦点をあてて、予想を交えながら少し掘り下げた考察を行ってみましょう。
イラストはLaikaの「相棒」に描いてもらいました。
かなりブランクがあり、ツールやマシンスペック等の作業環境も随分様変わりしているそうで、とりあえずリハビリ的にお試しで描いていくとのことです。

遊真

おそらくは近界で生まれ、有吾とレプリカと共に近界の旅を続けながら育ってきた遊真。
有吾が亡くなった後も形見の黒トリガーを手に近界の戦争に身を投じ少年兵のような暮らしを続けています。
11歳で孤児となりおよそ3年の間戦い続けたという遊真ですが、精神的に摩耗して廃人のようになってしまったり、人格が歪んで精神に問題を抱えたり、といった様子は見られません。

幼いころから有吾に鍛えられていたことも大きいのでしょうし、ライモンドが父親代わりとして面倒を見ていたのかもしれません。
現実主義的で達観したような表情も多い遊真ですが、年相応の言動も少なからずあるのはイズカチャやヴィッターノといった年齢の近い仲間の存在も大きかったかもしれませんね。

そんな遊真が戦争の終結後、生前の父の言葉を頼りに玄界へ渡航してきたところからワールドトリガーの本編が始まるのですが、当初の遊真の目的はボーダーに接触し黒トリガーから有吾を蘇らせる方法を探ることでした。
有吾の友人だったという最上もまた黒トリガー化して亡くなってしまっていたことを知り、ボーダーでも黒トリガーから復活させる術を持たないことを察した遊真は生きる目的を見失ってしまいますが、そんな遊真を救ったのがレプリカと修でした。

これ以降、失踪した兄や友人を捜しに行きたいという千佳やその手伝いをしたいという修の目的を叶えるために力を貸すことが遊真の目的となっています。
後に大規模侵攻編の中でレプリカを失ってからは、レプリカの捜索・奪還も遊真自身の目的に加わっています。

遊真の目的

これまでに描写された中で遊真の目的をまとめると次のようになります。

  • 有吾が亡くなるときなぜ笑っていたのか訊いてみたい(そのために有吾を黒トリガーから復活させたい)
  • 千佳が兄と友人を捜しに行けるように力を貸してあげたい(そのためにボーダーの遠征部隊に選抜されたい)
  • レプリカを捜しにアフトクラトルに行きたい(そのためにボーダーの遠征部隊に選抜されたい)

有吾の復活や遠征選抜はあくまで目的のための手段という位置づけになります。
従って、遠征部隊に選ばれることは当面の目標ではあるものの、それ自体が目的ではありません。
仮に他にも近界に行く手段があり、麟児や青葉を捜すことができたり、アフトクラトルでレプリカを捜すことができるのであれば、渡航手段が必ずしもボーダーの遠征部隊でなければならないわけではないのです。

もっとも、ボーダーの遠征部隊に参加するのが近界渡航の最も現実的な手段であることは間違いないですし、メタ的にも、記者会見での修の啖呵やB級ランク戦編・選抜試験編と丁寧にお膳立てしてきている以上、選抜不合格でしたという展開は極めて低確率ではないかと予想します。
その一方で、ガロプラとの密約によりガロプラルートでの渡航という可能性が出てきたこと、そもそも遊真が玄界に渡航してきた手段という可能性も考えられること、林藤もまた「個人的に近界から(トリガーを)持ち帰った」という独自のルートを持っている可能性を示唆されていることなどから、選抜落ち→非公式渡航という展開が全くないとも言い切れません。

遊真の今後について(近い未来)

直近では選抜試験編ということになりますが、遊真の実力的に考えて合格の可能性が高いでしょう。
玄界に渡航してきた当初こそ文化の違いや近界民に対するイメージもあって周囲との摩擦や衝突が生じたり、混乱の原因となることが多かった遊真ですが、B級ランク戦編の頃には人間関係も大いに改善され、他のチームの隊員のみならず鬼怒田ら上層部とも交流を行うまでになりました。
玉狛第2に加入したヒュースに対しても積極的に近界と玄界の橋渡し的役割を務めるなど協調性も高く、上下関係や価値観、文化文明の枠を超えて良好な関係を構築できることも示して見せているため、遊真に関しては不合格の理由を見つける方が難しいかもしれません。

もちろん、近界についての知識や嘘を見抜くサイドエフェクト、黒トリガーの戦力的価値もまた、遠征の成功を大きく左右する要素となり得るでしょうから、その線から見ても選抜部隊に欲しい人材と言えるでしょう。

遊真の今後について(少し先の未来)

遊真の少し先のことを考えると、やはり遠征編での立ち回りが気になります。
遊真にとって近界はホームようなものでしょうからこれまでとは違った活躍が見られそうですし、ライモンドたちのような旧知の近界民の登場や交流もあるかもしれません。

山場となるであろうアフトクラトル編ではレプリカを軸にしたストーリーにヴィザとの再戦など絡んでくることも考えられます。
大規模侵攻編では対ラービットにしても対ヴィザにしても黒トリガーを使用しての個人戦がメインでした。
今度の遠征編では対照的におそらく玉狛第2や遠征混合部隊でのチーム戦が主体になるでしょうから、「友情・努力・勝利」がどのように描かれるのか楽しみですね。

そういった意味ですと、失敗が許されない遠征ですし、部隊を率いるのが忍田本部長ですから、遠征編では黒トリガーを出し惜しみすることはないのではないでしょうか。
久々に解禁となる可能性は高いものの、レプリカを失っているため複雑な運用は難しいはず。
遠征出発前に、黒トリガー運用を想定したチーム戦術の構築や訓練が描かれることを期待します。
黒トリガーにはベイルアウトがないため、ノーマルトリガー時と黒トリガー時では「駒」としての運用方法そのものが大きく変わってしまうはず。
修には是非そのあたりも「相棒」に相応しい活躍や成長を見せてほしいものです。

また、B級ランク戦編で遊真は、既存の考え方に捉われないトリガーの使い方を次々に編み出していました。
本来ならA級に上がってからでなければ許可されないトリガーのカスタムですが、遊真の予想外の発想からくるカスタムや、そこから生まれる新しい戦法も是非見てみたい。
選抜試験合格の暁には、A級相当ということで、遠征準備のための特例でも良いのでトリガーカスタムが認められると面白いのですが。

遊真の今後について(かなり先の未来)

ワールドトリガー自体、遠征編で完結するのか、その先まで既に葦原先生に構想があるのかは不明ですが、遊真関連では次のような謎や伏線が残っています。

  • 黒トリガーに封印された遊真の本体
  • 有吾が黒トリガーになる原因となった正体不明の黒トリガー使い
  • 遊真の母

遊真の本来の身体を救うことができるのかについては、もし完結までに解決するとしても、おそらく最終盤になるものと思います。
既に登場した母トリガーや冠トリガーといった極めて強力かつ限定的なトリガーで解決する展開になるかもしれませんし、それこそ近界の根源たる「ワールドトリガー」でそれが叶うという物語になるのかもしれません。

カルワリアでかつて戦った正体不明の黒トリガー使いは、相手国のスピンテールが雇った刺客らしいとのことでしたが、今回の遠征の目的地であるアフトクラトルでの再登場はあるのでしょうか?
遠征編後の展開も予定されているのであればそちらで登場するラスボス的ポジションというのもありそう。
ただ、一度玄界に戻ってきてから改めて近界に再渡航となると、連載が長期になりすぎてしまう懸念も出てくるでしょう。

遠征編である程度完結まで見えるのだとすると、これらの謎も遠征に絡めて出てくるか謎のまま終わってしまうかでしょうか。
遠征編の先があるのであれば、遠征編では麟児たちに繋がる情報だけ小出しにして再遠征の流れを仕込んでおき、改めてこれらの謎を改修していく新章(終章)に入っていく、という展開になりそうな気がします。

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