WT SQ2020.09

ワールドトリガーをより深く楽しむための当ブログ。
ジャンプSQ2020年9月号に掲載の第198話と第199話について、感想と考察の記事になります。

先月は休載でしたが、今号では2話掲載。2か月待たされてしまいましたが、このボリュームはたしかな満足感がありますね。

B級ランク戦ROUND8(裏の部)

198話は引き続きB級中位のランク戦最終戦から。
解説や観客を挟んで各隊の置かれた状況と思惑を整理したところで一気に試合が動いていきます。

香取のスパイダーは概ね予想どおりの使い方でした。
接近戦しながら自らにバフを、相手にデバフを撒いて有利なフィールドで戦っていくスタイル。

ただ、あれ直接トリオン体にも刺さるんですね。
手足に絡ませて動きを妨害したり制限したりするとは予想していましたが、直接刺して動きを止めるとは。

こんな負け試合で あんなトリガー使いたくないんだけど

第197話:香取のセリフより

ワイヤーを使った高速機動や、手慣れたスパイダーの仕込み方を見ると、香取もそれなりに準備や鍛錬を行ったうえで使っていそうなんですよね。
少なくとも、若村に渡されたのを仕方なく使う羽目になってぶっつけ本番で試してみた、といった様子は見られません。

香取の隠し玉にきっちり落とされてしまった諏訪ですが、高速機動はしっかりガードできていたり、落とされながらも堤のワイヤーを排除するなどしっかり仕事してから退場するのはさすが。
こういった丁寧な描写をさらっと入れてくるあたりがたまりませんね。

片足やられた…… ネタが割れたらもう奇襲は通じない なら まだバレてない方から狙う!

第198話:香取のモノローグより

ROUND5の試合前はやる気が見られなかったものの、試合終盤では遊真と修に対して勝利への貪欲さを見せた香取。
この最終戦でも試合を捨てず点を獲りに行く姿勢は成長を感じさせます。

堤も諦めることなく、残されたチャンスを窺がう動き。
こういう細かいところが集団戦に説得力を持たせているような気がします。

左で動かして 右で拾った!

第198話:村上のモノローグより

解説が口を挟むことのできない目まぐるしい展開。
スパイダーという隠しカードをきっちり刺して那須を落とした香取を、堤が冷静に仕留めます。

ROUND2では遊真のグラスホッパーに引っかかって落とされてしまった堤ですが、今度は自分が左手で相手を動かして点を拾いましたね。
ともすればモブ化しそうなキャラクターでも、こうやって訓練と成長を感じさせてくるところが憎い演出です。

しまった……! 攻撃手の片手が空いてたら 仕掛けを警戒してしかるべきなのに……!

第89話:堤のモノローグより

冷静な判断と的確な対処を随所に見せる堤に、那須が残したバイパーと茜の狙撃が迫ります。
防御の手が足りない、と村上。
もう解説は諦めたか?

固定シールドという最適解を瞬時に選択した堤に対し、ガードの厚い急所狙いを捨てた茜の狙撃がきれに決まって試合終了。

「ここで試合終了!そして…… (中略) 那須隊は総合7位! 初の B級上位入りが確定しました!」

第198話:綾辻の実況より

198話はちょうどここで終了。
続く199話は試合後の感想シーンから始まります。

「あの一瞬であんだけ頭回りゃ充分だろ 俺だったらあそこまで思いつかねーよ」

第198話:諏訪のセリフより

おそらく多くの読者の感想を代弁するかのような諏訪。
ランク戦ではROUND3、最終戦と引き立て役に回った諏訪ですが、そんな中でも強キャラ感を薄れさせずにこれだけ動かせているので、本当に良いキャラだと思います。

香取隊の面々もそれぞれ前向きな反応を見せていましたが、若村は試合結果を引きずるような表情、三浦はケンカにならずホッとしたいつもどおりな反応、染井は冷静ながらもどこか他人事のようなセリフ、とチームの進化にはまだ時間がかかりそうな印象でした。
負けてもさばさばした香取が一番精神的に成長していそうです。
若村の作戦を(形だけでも)信頼して動く、好き嫌いを我慢して新しい戦術を試す、最後まで試合を捨てない、と実際に得るものの多い最終戦になったのではないでしょうか。

「若者たちの未来に 幸多からんことを……」

第198話:城戸のセリフより

かつて同盟国での防衛戦で多くの仲間を失った城戸ですから、若くして亡くなった彼らが根底となってのセリフなのでしょうか。
城戸の「真の目的」にも関係してくるのかもしれませんね。

弓場隊の後日談も入っていました。
王子と蔵内が加わって新旧弓場隊勢ぞろい。
思ったよりページ数を割いて弓場隊絡みのエピソードを片付けた印象ですから、やはり選抜試験編での出番はなさそうな感じでしょうか。

最後はやはり茜の送別イベント。
スナイパーの集まりで、というセリフから、合同訓練の際という意味ではなく、スナイパー仲間での送別会があったのでしょう。
他のポジションと違って個人ランク戦のないスナイパーは、より横のつながりや仲間意識が強そうな気がします。

そしてやはり予想どおりの夏目の那須隊加入。
正確にはリザーブメンバーでしょうか。
女子スナイパーは貴重とのことですが、実際BBFで判明している限りではB級以上の正隊員で女子のスナイパーは千佳と茜のみ。
鳩原が失踪し、茜が辞め、現時点では千佳が唯一の正隊員女子スナイパーのようです。

第200話以降の展開予想

3話分を使ってじっくりとB級ランク戦編を締めた感じになりましたので、いよいよ次回からは選抜試験編に入っていきそうではありますが、199話は迅と修と遊真の引きで終わりました。

「これで次はいよいよ 遠征選抜試験だな」
「あ ちょっとその前に…… メガネくんと遊真には 会っておいてほしい人がいるんだ」

第199話:遊真と迅のセリフより

ワールドトリガーの定番パターンでいくと、それぞれの編の幕間、息抜きの日常回や世界観や設定が絡む回が入りそうな気がしますが、一方で、第200話に合わせて選抜試験編に突入、という展開もありそう。

…まあ第100話がROUND3で遊真と村上のバトルだったことを考えるとあまり関係ないかもしれませんが。

会っておいてほしい人というセリフからすると、意外な人物なのでしょう。
迅と同年代か年下であれば、「会っておいてほしいヤツ」とか「会っておいてほしい子」といったセリフになりそうですから、年上ではないでしょうか。
既に登場した人物で考えると、城戸とか?
今回、城戸の若者発言がありましたし、真の目的に関係する何らかのフラグが開示されるかもしれません。

また、「会っておいてほしい人」にはまだ面識のない人物という意味とも取れますから、その場合は旧ボーダーの関係者や、現在はボーダーを離れている民間人という可能性もありそう。
林藤ゆりから名前が出ていた旧ボーダーの人あたりは有力候補なのではないでしょうか。

一方、「ちょっとその前に」というところで、迅があえてこのタイミングで引き合わせる人物という点を重視すると、選抜試験編に入る前に片付けておかなければならない伏線回収という見方もできそうです。

この時点で遊真と修が絡む未回収の伏線なんてありましたっけ?
147話あたりから放置されてるガロプラか?

「どこから情報が漏れたんでしょうか」
「アフトの捕虜は違うでしょ (中略) 玄界に味方する理由がないよ」
「となるとあとは……」

第136話:ウェンとラタリコフのセリフより

先月の予想記事でも触れましたが、確かにそろそろ再登場しそうなタイミングです。
遊真と修が会う相手がガロプラの誰かであるとすれば、遊真のサイドエフェクトを利用して交渉に臨みたいという狙い?
そういえばROUND7の翌日の焼肉のあたりで意味深な情報がありました。

「迅さんとヒュースくんは支部長たちと出かけてる」

第177話:宇佐美のセリフより

既に水面下で接触し、交渉の段取りをしていたりするのでしょうか。
元々ガロプラはアフトとの板挟み描写が多く、交渉の余地があるということを窺わせるストーリーになっていましたし、遊真と修をさりげなく立ち会わせて和平交渉、裏取引の駆け引きが展開されるかもしれません。

次回は第200話

今のところ休載予定はなし、ジャンプSQ10月号に掲載予定です。
第200話ですが、197話でCカラーをやっているため、巻頭カラーなどはなく普通回になりそうです。

ご拝読ありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました