T.C.2010

T.C.2010のできごと

T.C.2010に入隊した隊員


出典:ワールドトリガーオフィシャルデータブック BORDER BRIEFING FILEより

BBFの入隊時期グラフで「3年くらい前」とされた隊員たちはこの年に入隊したものと考えて良いのではないでしょうか。翌年の2011期生に対してT.C.2010はまだ入隊の時期やサイクルがまだ定まっていなかった時期だったようです。

 

ボーダーでは常に新しい隊員・職員を募集しております

第142話:根付のセリフより

T.C.2010の2月に行われたボーダーの広報イベント時のセリフですが、こちらからは修が入隊したT.C.2013の頃とは異なり入隊試験の受験日時が指定されていない印象を受けます。BBFのグラフも、明らかに2011期生の整然とした並び方とは異なり雑然とした見た目となっています。

グラフのグループ分け、左右の僅かなズレが入隊した時期の順によるものと考えると、①二宮・加古・諏訪、②時枝・佐鳥・堤、③綾辻・出水、④加賀美・天羽、⑤烏丸・影浦、⑥宇佐美・三上・辻、⑦国近・小佐野・北添と分けられそうです。

T.C.2010に結成した可能性のある部隊

第1期東隊

東はT.C.2009の入隊ですが、二宮・加古・三輪・月見を率いてA級1位になった第1期東隊、片桐・雪丸・結束を率いての第2期東隊、奥寺・小荒井・人見と組む第3期東隊を率いてきたという遍歴の持ち主です。狙撃手としての師弟関係も広く、レイジ・鳩原・当真・奈良坂が弟子、レイジの弟子の千佳・鳩原の弟子の絵馬・当真の弟子の夏目・奈良坂の弟子の古寺と日浦が孫弟子にあたります。

ボーダーで最初に狙撃手になった、生粋のロングレンジロン毛。レイジや当真や奈良坂に狙撃を教えたのもこの人。

JC5巻:カバー下の解説より

俺も鳩原も東さんが師匠だからな 妹弟子だ

第106話:レイジのセリフより

Q.月見さんと太刀川さんの関係を教えて下さい。
A.幼なじみで太刀川の戦術面の師匠です。東さん→月見(他、たくさんの弟子)→太刀川、という流れ。

JC8巻:質問コーナー⑥より

かつてのA級1位部隊を率いた「最初の狙撃手」東春秋がいる

第112話:風間の解説より

入隊時からボーダー随一のトリオン能力でぶいぶい言わせていたが、忍田さんの計略で加古さん・三輪と共に東隊に放り込まれ、(以下略)

JC13巻:カバー下の解説より

同部隊の片桐・雪丸と共に、第2期東隊で鍛えられた東塾卒業生。

JC20巻:カバー下の解説より

東と三輪、月見がT.C.2009の入隊と考えられるため、T.C.2010に①の二宮と加古が入隊したことで第1期東隊が揃っています。2010期生のうち最も入隊が早いと思われる二宮と加古ですが、トリオン能力も高く正隊員になるのにもそう時間はかからなさそうですから、年初頃の入隊で春ごろには第1期東隊が既に結成されていたかもしれません。

嵐山隊(初期)

二宮と加古の次に入隊してきたのが②の時枝・佐鳥・堤の3名。それに続いて③の綾辻と出水が入隊したようですので、綾辻のオペ研修が終わったあたりで嵐山隊も結成されていそうです。

ボーダー本部基地完成から3か月 このたび新しく正隊員に加わった若者たちです!

第142話:根付のセリフより

 

ただ、上記のT.C.2010.2月に行われたボーダーの広報イベントにおいて、嵐山と柿崎はエンブレムこそまだないものの嵐山隊と同じデザインの隊服を着ていました。原作では色が不明でしたが、アニメ版では嵐山隊と同じ赤色で描写されています。嵐山隊としてのお披露目ということではなくあくまで正隊員としての広報だったようですが、根付の思惑としては広報部隊として露出やメディア戦略を展開していく未来図が既にあったのかもしれません。

嵐山隊としての発足は2月時点で内定しており、残りのメンバーの選定と加入が終わった時点で改めて正式に嵐山隊が発足したと考えると、こちらもT.C.2010のかなり早い時期の結成だったのではないでしょうか。

太刀川隊(初期)→T.C.2011の可能性大

BBFのグラフによると綾辻・出水に僅かに遅れて入隊したと思われるのが④の加賀美と天羽。加賀美は荒船隊で最も早い入隊ですが、結成まではずっと本部のオペだったのかもしれません。天羽もSE持ちでトリオン能力は高そうですがどこかの部隊に所属していたとの情報はまだありません。比較的早い時期に黒トリガーに適合しS級になったとすると、T.C.2010のうちにS級になっていた可能性もありそうです。

この二人の次に入隊しているのが⑤の烏丸と影浦で、少し遅れて⑥の宇佐美・見上・辻が、最後に⑦の国近・小佐野・北添が入隊しています。国近の入隊で初期の太刀川隊(太刀川・出水・烏丸・国近)が揃っているため太刀川隊はこの頃に結成されていてもおかしくありませんが、国近は最後のグループでの入隊ですから、T.C.2010年内の入隊ではなく翌年の可能性も考えられます。ちなみに国近は県外からのスカウト入隊とされています。

国近は早生まれなので、T.C.2010.4月~T.C.2011.3月の時期は中学3年生になります。県外からのスカウト入隊であることと合わせて考えると、中学卒業・高校進学のタイミングでの入隊だったと考えられないでしょうか。太刀川隊の結成はT.C.2011の春の可能性が高いかも?

Q.太刀川隊を結成するにあたって、太刀川さんが出水くんをスカウトしたのですか?それとも出水くん本人が志願したのですか?

A.旧東隊と戦ってみたくなった太刀川が、とりまると国近をダシにしてスカウトしました。が、その後割とすぐ旧東隊は解散しています。

JC24巻:質問コーナー⑳より

この情報からすると、太刀川隊の結成を早めに見積もってT.C.2010の終盤であったとしても、第1期東隊の解散はT.C.2011だったのではないでしょうか。

諏訪隊→T.C.2011の可能性大

諏訪は①の二宮・加古と同期入隊で、堤がそのすぐ後に②で入隊、最後のグループの⑦で小佐野が入隊しているため、笹森を除く諏訪隊がこの時点で揃っています。さすがに笹森の入隊まで待っての結成はないでしょうから、小佐野が国近と同期ですし、諏訪隊の結成は太刀川隊と同じ時期ではないかと予想します。

Q.45話で諏訪が使用していた銃型トリガーの性能などについて教えて下さい
A.大きめの通常弾をまとめてぶっ放す『面攻撃型』の散弾銃トリガーです。弾の散る角度をある程度調節できます。長所は瞬間火力が高いこと、短所は射撃と射撃のあいだに間があって隙ができることです。

JC7巻:質問コーナー⑤より

そもそも弓場さんの戦法は 旋空持ちの攻撃手に有利を取るために 諏訪さんのWショットガンを参考にして 編み出されたものなんだよね

第191話:王子のセリフより

BBFを見る限り、ショットガンを使用しているのは諏訪と堤だけなので標準兵装ではなさそうなんですよね。カスタム品っぽい。

うちに入ればA級の特典で 開発室に頼んでトリガーを自分好みに改造できるわ

第123話:加古のセリフより

Q.迅さんは「スコーピオン」を作ったとのことですが、隊員がトリガー制作に携わるには何か条件はありますか?

A.14巻で加古さんがちょろっと言ってますが、A級隊員になると、トリガーの改造をエンジニアに依頼できるようになります。新トリガーの製作はその延長線上にある感じです。

JC19巻:質問コーナー⑲より

諏訪隊に関しては元A級といった描写が皆無のため、A級隊員として改造ショットガンを作ったという線はやや考えづらい。T.C.2010はまだランク戦も始まっていない頃と考えられますし、トリガーの改造はA級の特権と規定される前にショットガンが開発されたのかもしれません。仮に諏訪の性格から考えて同い年でよくつるんでいるっぽい雷蔵あたりにカスタムを頼み込んだとすると、雷蔵がエンジニアに転向したT.C.2012以降ということになりますから、ランク戦が始まって諏訪がショットガンに改造→同様の依頼がエンジニアに来るようになってしまいA級以上に制限するルールが作られるといった経緯があったと考えることもできそうです。

この時期に結成された部隊はボーダーの創成期のチームですので、まだ実験的なところが多かったと考えられます。忍田の指示で結成された第1期東隊が近距離(三輪)・中距離(二宮と加古)・長距離(東)とバランスのとれた編成であるのに対し、嵐山隊は近距離+中距離(嵐山と時枝)の両対応に長距離(佐鳥)という編成、太刀川隊が近距離(太刀川)・中距離(出水)・近距離と中距離(烏丸)という長距離を捨てて接近戦を重視する編成、諏訪隊が中距離(諏訪と堤)のみという尖った編成ですからそれぞれに特色が見られますね。

風刃争奪戦

おまえそれ早く言えよ! 何年ぶりだ!? 3年ちょっとか!?

第32話:太刀川のセリフより

迅は風刃の争奪戦でS級になったことでランク戦のレギュレーションから外れることになりましたから、太刀川のセリフがT.C.2013.12.18だったことから逆算すると争奪戦はT.C.2010の10~11月頃と推測されます。

何年か前までは 攻撃手用のトリガーって『孤月』一種類しかなかったんだよね そんで太刀川さんと迅さんは 当時の個人戦ランク1位と2位だったんだけど 迅さんが「孤月じゃ太刀川さんには絶対勝ち越せない」って言って 技術者と一緒に新しく作ったのが『スコーピオン』なの

第27話:宇佐美のセリフより

太刀川の入隊が本部基地の完成したT.C.2009の11月頃との予想ですから、それから当面の間は迅と太刀川が弧月でバトっていたと考えると、スコーピオンが開発されたのはT.C.2010でしょう。

迅さんが『スコーピオン』を使い始めてからは互角の勝負だったけど

第27話:宇佐美のセリフより

この宇佐美のセリフを、伝聞としてではなく自身で見聞きしたこととして話していると受け取ると、これらは宇佐美の入隊後のできごとということになります。
とはいえ、宇佐美はT.C.2010入隊組では遅めの入隊です。そこも含めて時系列を収めるとなると、宇佐美の入隊と前後する時期にスコーピオンが開発され、11月頃に風刃の争奪戦が行われたという形かもしれません。

ラボでの専門は「トリオンの形状と軌道の制御」で、追尾弾・変化弾・スコーピオンなどの開発・改良を担当(スコーピオンは迅との合作)。

JC20巻:カバー下の解説より

クローニンの解説では追尾弾、変化弾、スコーピオンという並びになっているため、素直に受け取るのであればこの開発順になるのでしょう。ハウンドのうち視線誘導が「追尾弾」で探知誘導が「誘導弾」ということですので、視線誘導で曲線を描くように攻撃するハウンドが初期、弾道を自由に設定して複雑に直線的に方向を変えるバイパーがその発展形として開発され、スコーピオンの開発にはそれらの技術やノウハウがフィードバックされたという経緯になるのでしょうか?

少なくとも現ボーダーが発足したT.C.2009には弾丸トリガー自体は開発済みだったでしょうからアステロイドは標準配備されるトリガーだったでしょう(でなければ現ボーダーの最初期には攻撃手しか存在しなかったことになってしまうので)。一方で、嵐山や時枝といった初期からいるARがハウンドやバイパーをセットしていないこと、SHの二宮や加古がハウンドはセットしているもののバイパーは使っていないことから考えると、アステロイドとハウンド・バイパーの開発・実装時期はそれなりに離れていそうな気がしますので、この年ではないかなと予想します。

変化弾は弾を撃つ前にイメージで弾道を設定できるけど ふつうは使いやすい弾道を何パターンか予め決めててそれを使う でも那須は違うんだな 毎回しっかり弾道を引いてる リアルタイムであれだけの弾道を引ける変化弾使いは ウチの出水と那須だけだ

第97話:太刀川のセリフより

BBFによるとSHでバイパーをセットしているのは確かに出水と那須の2人だけです(後にヒュースも使用しましたが)。ARやGUでバイパーをセットしているのはいずれも突撃銃や拳銃タイプのためこちらは事前に弾道を設定する使い方でしょう。最近開発されたトリガーなので使用者が少ないという描写はなく、使いこなすのに適正や高い技能が要求されるトリガーとして描かれているため、開発自体はこの年に出来ていてもおかしくないのではないでしょうか。

この流れで考えると、迅がS級になって対戦相手をなくしたバトルジャンキー太刀川が、その代わりとして第1期東隊に目をつけてそれとバトるために組んだのが初期太刀川隊ということになりそうです。で、その東隊も早々に解散してやる気をなくし、その間に風間と小南が無双する、と。あくまでやる気をなくしていたのは個人戦だけで、チーム戦をこなしていたのかもしれませんが。

銃型トリガーの開発

この年に入隊した隊員からは、二宮、加古、出水とトップランクの射手が出ています。一方、銃手としては諏訪、堤、北添が入隊しています。ARですが時枝と烏丸も銃型トリガーを使用していますね。

順番としては射手が先です。キューブの弾丸を扱うことには向き・不向きがあり、弾丸を誰でも高い精度で使える様にと銃型トリガーが開発され、銃手へと派生しました。

BBF質問コーナーDX:Q156より

前年のT.C.2009にはARの嵐山と柿崎も入隊していますが、その頃はまだ銃型トリガーはなかったのではないでしょうか。早々に嵐山隊として広報部隊としての任務も始まったでしょうし、射手への適性が問題となり銃型トリガーの開発へと繋がったのはこの年だったのではないかと予想します。

ちょうど弾丸トリガー自体もハウンドやバイパーに発展した年でもありますし、その扱い方の難易度が高まるにつれ、適性の問題が顕在化して銃型トリガーによる解決が図られたのかもしれません。嵐山や柿崎はメイントリガーが銃、サブトリガーがスコーピオンや弧月という構成なので、当初は射手で、それもアステロイドのみで正隊員に上がったのかもしれません。当時はシールドの性能も現在ほど高くはなかったとされているので、アステロイドのみでも攻撃手と十分渡り合えていたのかもしれないですね。

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