T.C.2009
第一次近界民侵攻の時期について
第一次近界民侵攻は第3話時点(T.C.2013.12月)から4年半くらい前とされていますので、この年の5~6月頃の出来事と考えられます。
4年半くらい前にね 街中にいきなり黒い穴が開いて 近界民ってやつらが攻め込んで来たの
第3話:二ツ木のセリフより

有吾さんは……4年半前にボーダーの存在が公になる以前から活動していた いわば旧ボーダーの創設に関わった人間
第18話:忍田のセリフより
この忍田の発言は12月14日ですが、「くらい」という表現がなく当事者本人の発言であることから、ちょうど4年半前の6月と断定して良いのでしょうか。

今回起きた戦闘の規模は 4年半前の第一次近界民侵攻のおよそ8倍です
第84話:根付のセリフより
一方、こちらの発言はT.C2014.1.28の記者会見の席上でした。作中でオフィシャルな場面でのセリフですのでこちらもなかなか信憑性の高い情報になります。こちらから計算すると侵攻時期は7月ということになります。
また、144話の冒頭では「第一次近界民侵攻の数か月前」というナレーションがありました。6か月以上前であれば半年前、半年以上前といった表現になるため、2~5か月前と考えるべきでしょう。仮に第一次近界民侵攻を6月下旬として考えると1月下旬~4月下旬ということになりますが、このときの香取家では炬燵が出ている描写があるため、1月下旬~2月頃の可能性が高いのではないでしょうか。

せっかくの日曜なんだから アタシは昼過ぎまでは寝るよ……
第144話:香取の回想時のセリフより
シーンが変わって第一次近界民侵攻の当日、香取と染井の二人を含め三門市の住人はほぼ全員が薄手の長袖という服装のため、まだ暑い夏の時期にはなっていない様子。衣替えの前と考えると5月頃でしょうか。
これらの要素から考えると、根付の発言に比重を置くなら6月中の可能性もありそうですが、「約4年半前」の意での発言との解釈もできるでしょうし、他の描写を考慮すると5月説が濃厚なような気がします。
ボーダー本部基地の完成時期について
第一次近界民侵攻時にその存在が公となったボーダーは、本部基地を建設し本格的な防衛体制を整えていきます。

界境防衛機関「ボーダー」
彼らはわずかな期間で巨大な基地を作り上げ
第1話:冒頭のナレーションより
本部基地の完成時期は、柿崎と香取の回想シーンから考察してみましょう。

4年ほど前 ボーダー広報イベント
「ボーダー本部基地完成から3か月 このたび新しく正隊員に加わった若者たちです!」
第142話:柿崎の回想時の根付のセリフより
この回想はB級ランク戦ROUND5の際のものですので、この時点の日付はT.C.2014.2.19。従って4年ほど前となるとT.C.2010.2月前後と思われます。7月29日生まれの嵐山と11月25日生まれの柿崎が2人ともこのイベントの時点で15才となっていることから計算すると、T.C.2009.11.25からT.C.2010.7.28までの間になるはずですのでこちらとも矛盾しません。
本部基地完成はこの3か月前ということですから、前後に多少のずれがあったとしてもT.C.2009.11月頃と考えて良いのではないでしょうか。第一次侵攻を5月頃とすると、約半年前後で基地が完成したことになりそうです。
カルワリアとスピンテールの戦争について
近界で有吾が命を落とし遊真がトリオン体になる原因となった戦争ですが、その始まりや目的は明らかにされていません。

今から4年ほど前 ユーマとその父 有吾は 近界民の戦争に参加していた
第20話:レプリカのナレーションより

たしかおれが11のとき親父が死んだ
第18話:遊真のセリフより
T.C2009年の12月の前後と考えられますが、4年「ほど」となっているため時期の特定はできません。遊真の誕生日が7/18なのでそれより前ということはないでしょう。

それから3年の間ユーマは父親の代わりに戦い続けた (中略) 粘り強い抵抗により敵国は侵攻を断念し後に講和によって戦争は終結した
第20話:レプリカのナレーションより
講和が成立するまで3年+αとすると、戦争が終結したのはT.C.2013初頭~上半期あたりでしょうか。その後、遊真とレプリカはいくつかの国を経て12月に玄界に渡航してきました。
T.C.2009に入隊した隊員
出典:ワールドトリガーオフィシャルデータブック BORDER BRIEFING FILEより
BFFに掲載されたボーダー入隊時期グラフによると、太刀川、冬島、風間、東、雷神丸、嵐山、柿崎、三輪、月見、沢村の入隊時期が「現ボーダー設立時(4年前)」とされています。左列と右列に分かれてはいるものの、東と沢村が同期とのことですので時期的な差はなく、単にグラフに収まりきらなかったため左右のズレが生じただけなのでしょう。

東さんと同期入隊の25歳。
JC6巻:カバー下の解説より

Q「小南ちゃんと親戚の嵐山さんも彼女と同時期の入隊なんですか?」
A「小南の方が全然早いです。小南は旧ボーダー時代からの古株、嵐山が入隊したのは今の本部の基地ができてからです。」
JC8巻:質問コーナー⑦より
「現ボーダー設立時」が組織としての発足時を指すのか、対外的に設立を公表した時を指すのか、あるいは別の時点を指すのか細かい定義までは明らかにされていませんが、上記のQ&Aから本部基地完成→設立=嵐山たちが入隊という流れになるようです。入隊時期が少し早い根付、鬼怒田、唐沢の3人は基地完成前に幹部として城戸が連れて来たと思われます。

今の本部基地ができるまでは 玉狛がボーダーの本部だったの 一般に公開される前のいわゆる「旧ボーダー」の本部ね
第162話:ゆりのセリフより
18話の忍田のセリフによるとボーダーの存在が公になったのは4年半前とのことですが、これは大規模侵攻でボーダーに所属するメンバーが初めて世間に広く認知されたことを指しているのでしょう。大規模侵攻前は公にされていない旧ボーダー、大規模侵攻後は公にされたものの旧ボーダー、本部基地完成後が現ボーダーという切り分けになるのかもしれません。
さて、本部基地の完成が11月頃とすると初期隊員の入隊も11月下旬頃でしょうか。嵐山と柿崎は翌T.C.2010の2月には訓練生から正隊員に昇格し広報イベントに参加しているため、入隊が12月より遅いということはないのではないでしょうか。

うちは数年前に母トリガーを手に入れた 組織がでかくなったのもそこからだ
第201話:林藤のセリフより

この雷神丸は 『陽太郎を守る』っていう役目を与えられてる
第202話:林藤のセリフより
こちらの林藤の発言はT.C.2014.3.2になります。「数年前」は表現としてかなり幅があるため時期の特定は難しいものの、T.C.2008~2009頃であれば「数年前」でも違和感はありません。
これらをまとめると、5月下旬に大規模侵攻が発生、11月に本部基地が完成し現ボーダーが設立、11月下旬頃に最初期の隊員が入隊という時系列になりそうです。母トリガーをコンピュータと連携させて稼働させるシステムの構築などにも時間がかかりそうですから、そちらについては第一次近界民侵攻の前から研究・開発が始まっていたのかもしれません。
T.C.2009に結成した可能性のある部隊
現ボーダーの最初期となる隊員がこの年に入隊してはいるものの、この年のうちに部隊の結成はなかったのではないかと思われます。
T.C.2009に開発された可能性のあるトリガー
第一次近界民侵攻の際には既に弧月と思われるトリガーが描かれているため当時の攻撃手は弧月が標準だったものと考えられます。
一方、射手と狙撃手用のトリガーについてはこの年の開発だったのではないでしょうか。入隊した隊員のうち攻撃手ではないと思われるのは冬島と東、嵐山、柿崎の4人です。嵐山と柿崎は後にARになるため、当初は攻撃手だった可能性も考えられるのですが、もし狙撃トリガーが未開発だったとすると東も攻撃手をしていたことになってしまいそうです。

Q.東さんは一体どこでスナイパーとしての技術・心構えを身につけたのですか?
A.東さんは体験から学ぶのが好きなので、ほとんどは訓練やランク戦など、実戦の失敗の中から学ぶことになりました。軍隊関係の本なども多少齧りましたが、実際の銃とトリガー武器はかなり違うので参考程度にしたようです。
BBF質問コーナーDX:Q094より
狙撃用トリガーは万能型のイーグレット、弾速重視のライトニング、威力重視のアイビスの3本がありますが、一度に全種類が開発されたのか順序があるかは明らかにされていません。

Q.狙撃手トリガーで通常弾以外を撃つことは可能ですか?鉛弾以外も可能でしょうか?
A.狙撃用の弾は厳密には通常弾とは違うんですが、エンジニアに頼んで設定すれば可能だと思われます。しかし、威力・弾速・射程が低下してしまうため、防がれやすくなってしまうのではと思います。変化弾とかが撃てると面白そうですが、遠くまで正確に弾道を引くのは難しそう。
JC22巻:質問コーナー⑲より
射手や銃手用の弾丸トリガーとは別物のようですから、この時期に開発されたとすると射手用はアステロイド、狙撃手用はイーグレットからなのかなという気がします。
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